この記事を読んでほしい人
- タバコ代が家計を圧迫していると感じている人
- 「加熱式に変えれば安くなる」と聞いて迷っている人
- 「やめたいけどやめられない」と思っている人
更新(2026年9月28日):2026年10月1日の値上げ後の価格で、計算をやり直しました。旧版は「IQOS テリア 580円」(2026年3月までの価格)で計算していて、「加熱式のほうが1箱50円安い」と書いていました。今は銘柄によって、紙巻きより高くなります。
先に立場を書いておく:俺は加熱式を使っていない
この記事を書いている俺は、紙巻きタバコを13年吸って、2017年5月にやめた。今9年目だ。加熱式タバコ(IQOS・glo・Ploom X)は一度も使っていない。
だからこの記事は「加熱式に変えたらこうなった」という体験談ではない。「加熱式に変えれば安くなる」という話が本当かどうかを、単価で計算しただけの記事だ。体験していないことを体験したように書くのは、この先もやらない。
結論:2026年10月からは銘柄しだい。テリアなら紙巻きより高い
2026年10月1日からの価格を並べる。紙巻きはマールボロ640円、メビウス620〜630円、セブンスター610円(紙巻きは10月の値上げの対象外)。加熱式はIQOS テリア640円・センティア590円、Ploom エボ620円・メビウス590円、glo ネオ570円だ。
この価格の出どころはタバコの値段、2026年はいくら?値上げの歴史と今後の推移。2003年の270円からの推移も並べてある。
代表値として紙巻き630円、加熱式は高い側のテリア640円と、安い側の590円で置くと、こうなる。
| 項目 | 紙巻きタバコ | 加熱式(テリア) | 加熱式(590円の銘柄) |
|---|---|---|---|
| 1箱あたりの費用 | 約630円 | 約640円 | 約590円 |
| 1日1箱なら1ヶ月 | 約18,900円 | 約19,200円 | 約17,700円 |
| 1日1箱なら1年 | 約229,950円 | 約233,600円 | 約215,350円 |
| 10年(スティック代) | 約230万円 | 約234万円 | 約215万円 |
「加熱式に変えれば安くなる」は、2026年10月からは銘柄しだいになった。テリアなら1日10円、10年で約3万7千円、紙巻きより高い。590円の銘柄なら、1日1箱で年に約1万5千円、10年で約15万円安い。
⚠️訂正(2026年9月18日):この記事はもともと「紙巻き580円・加熱式620円」という古い前提で計算しており、結論が逆になっていた。当サイトの価格記事の実勢価格で計算し直して訂正した。間違えたまま残さず、直した経緯ごとここに書いておく。
ただしその15万円は、215万円が消えていく話の中の15万円だ
安い銘柄を選んでも、15万円は小さい額ではない。ただ、同じ10年で消えるのは215万円のほうだ。削れているのは全体の7%でしかない。テリアを選べば、削れるどころか増える。
そして「変えたら月のタバコ代がはっきり減った」という話を読むと、単価40円の差では説明がつかない金額のことが多い。効いているのは本数のほうだ。
紙巻きには「火をつけたら最後まで吸わないともったいない」という力が働く。加熱式にはそれがないので、結果として1日の本数が落ちる人がいる。月に何千円も変わったのなら、変わったのは機器ではなく本数だ。
逆に言えば、本数が同じままなら、安い銘柄でも減るのは月1,200円だけで、テリアなら逆に増える。「乗り換えたから節約した」で止まると、そこから先に進まない。
13年吸ってやめた側からの、いちばん安い答え
本数が減ることが節約の正体なら、いちばん減らした状態=ゼロがいちばん安い。当たり前だが、これが計算の答えだ。
俺は1日1箱を13年吸っていた。今の紙巻きの単価で置き直すと約285万円。やめてから9年経った今、浮いた額はカードにして毎日数えていて、211万円を超えた。数えているから言えるが、この金額は「我慢した量」ではなく「使わなかっただけの額」だ。
ただし、いきなりゼロにできるなら誰も苦労しない。加熱式を経由してやめる人がいるのも事実で、それを否定するつもりはない。大事なのは「変えたから安くなったはず」と思い込まないことだ。実際に本数が減っているかどうか、レシートで確かめたほうがいい。
健康面の変化:誤解と現実
加熱式タバコは「健康に良い」と誤解されがちだが、これは正確ではない。各メーカーが公表しているのは「燃焼を伴わないため、紙巻きタバコと比較して特定有害物質の発生量を減らせる」という相対的な比較だ。ニコチンは依然として含まれており、依存性も健康影響もゼロではない。
ここで「切り替えたらこう変わった」と書きたいところだが、俺は加熱式を使っていないので書けない。臭いが減るのか、朝の口の中がどうなるのか、自分の体では一つも確かめていない。
代わりに、やめた側で起きたことなら書ける。紙巻きをゼロにして9年目の今、服と髪の臭いは消えて、朝起きたときの口の中の不快感も無くなった。やめて4日目に、家の中のタバコ臭の正体が自分の服だったと気づいたのは、今でも覚えている。
ただしこれは「加熱式に変えた結果」ではなく「吸うのをやめた結果」だ。混ぜて読まないでほしい。そして加熱式に変えた場合、ニコチン依存のほうは残る。出費が下がるかどうかと、依存から降りられるかどうかは、別の話だ。
切り替え時に陥りがちな3つの失敗
失敗①:本体価格に飛びついて、ランニングコストを軽視する
本体は数千円〜1万円程度で買えるが、長く使うのはスティック側だ。スティックの価格・入手性・互換品の有無まで考慮しないと、結局割高になる。
失敗②:紙巻きと併用してしまう
切り替えた直後は物足りなさから紙巻きも吸ってしまうことが多い。これでは本数が減らず、コストはむしろ増える。1〜2週間は意識的に紙巻きを家から排除するのが効果的だ。
失敗③:充電切れでコンビニに駆け込む
充電を忘れると、その日だけ紙巻きを買う羽目になる。これが繰り返されると節約効果が薄れる。モバイルバッテリーや予備の本体を持つことが、長期的には節約につながる。
IQOS・glo・Ploom Xの選び分け
加熱式は1社独占ではなく、IQOS(フィリップ モリス)、glo(BAT)、Ploom X(JT)の3社が主要選択肢となっている。それぞれの特徴を簡潔にまとめる。
| 製品 | メーカー | 1本あたりコスト | 公表されている特徴 |
|---|---|---|---|
| IQOS(テリア/センティア) | フィリップ モリス | 約32円/約30円 | 清掃不要・スティックの種類が多い |
| glo(ネオ) | BAT | 約29円 | 本体価格が安い |
| Ploom(エボ/メビウス) | JT | 約31円/約30円 | JT銘柄との親和性 |
味の評価はここに書かない。3つとも吸っていないので、「クセがない」「吸いごたえがある」は俺には書けない。書けるのは価格と、メーカーが公表している仕様だけだ。
1本あたりは2026年10月1日の価格で計算した。そのうえで数字を見ると、いちばん安いglo ネオ(570円)といちばん高いテリア(640円)でも、1日1箱で月2,100円の差だ。どれを選んでも、10年で200万円以上は消える。この表でいちばん大事なのは、そこだと思う。
加熱式タバコの先にある「卒煙」
加熱式に変えて本数が減ると、次に見えてくるのが「もう要らないかもしれない」という感覚だ。実際、加熱式を1〜2年続けたあとに完全禁煙へ移行する人は少なくない。
段階的なロードマップとしては次のような流れが現実的だ。
- 紙巻き → 加熱式に切替(本数を半減)
- 加熱式の本数をさらに半減(1日5〜6本)
- 禁煙外来でニコチン置換療法を併用
- 完全禁煙
このルートを取れば、年間20万円超の節約に加え、最終的にはタバコ代がゼロになる。生命保険の非喫煙者割引まで考慮すると、生涯で得られる経済効果は数百万円規模に達する。
よくある質問
Q. 加熱式は本当に紙巻きより安全?
各メーカーは「特定有害物質の発生量低減」を主張しているが、長期的な健康影響は研究途上で結論が出ていない。「より安全」ではなく「リスクの種類・量が異なる」という理解が現実的だ。
Q. 屋内で吸えるようになるって本当?
2020年4月施行の改正健康増進法では、加熱式タバコ専用の喫煙室であれば飲食を伴う喫煙が可能になった。ただし完全自由ではなく、施設ごとのルールが優先される。
Q. 子どもがいる家庭での使用は?
受動喫煙のリスクはゼロではないとされる。屋内ではなく屋外、もしくは換気の整った空間で使用することが推奨される。家庭で吸う場合は、子どもの生活動線から離れた場所で。
Q. 完全禁煙までの目安期間は?
個人差は大きいが、加熱式へ切替後6ヶ月〜1年で本数が半減し、1〜2年で完全禁煙に到達する人が多い。途中で禁煙外来を併用するとさらに成功率が上がる。
免責事項
本記事は、公表されている価格と、俺自身の紙巻きタバコの支出記録に基づくものだ。加熱式を使った体験に基づくものではない。加熱式タバコの安全性を主張するものでもない。加熱式タバコもニコチンを含む製品であり、20歳未満の使用は禁止されている。健康への影響については、必ず医療機関や公的情報源(厚生労働省など)の情報を併せて参照してほしい。


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