「お金の話、ちゃんと子供に教えてますか?」
俺は教えていなかった。
正確には、教え方がわからなかった。
氷河期世代の俺は、親から「お金の話はするな」と育てられた世代だ。
その結果、20代で投資を始めず、30代で消費に溺れ、40代で老後不安に怯える。
息子には、同じ道を歩ませたくない。
だから1年前、中1の息子に「月3,000円のお小遣いのうち、1,000円をNISAに入れる」というルールを始めた。
1年やってみて、息子のお金に対する目つきが変わった。
この記事では、
・なぜ「説教」ではなく「体験」が必要なのか
・月1,000円NISAの具体的なやり方
・1年で息子に起きた変化
・6年続けた場合のシミュレーション(72,000円→約10万円)
を、実体験ベースで書く。
そして2026年、ついに「こどもNISA(仮称)」の議論が本格化している。
制度が始まる前に、家庭で「お金の体験教育」を始める意味も伝えたい。
説教は届かない。実体験こそ最強の金融教育
俺は最初、息子にお金の本を渡した。
「これ読んでおけ」と。
息子は3ページで本を閉じた。
当然だ。12歳の子供にとって「複利」も「インデックス投資」も、ただの呪文でしかない。
俺だって40歳まで意味がわからなかった。
教えるより、体験させる。
金融広報中央委員会の調査でも、金融教育を受けた人の78%が「実体験型が最も効果的だった」と回答している。
そこで決めたルールが、これだ。
月3,000円のうち1,000円NISAルール
ルールの全体像
シンプルだ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 毎月のお小遣い | 3,000円 |
| うち消費可能 | 2,000円 |
| うち投資 | 1,000円(親名義の新NISAで運用) |
| 投資先 | 全世界株式インデックスファンド(eMAXIS Slim 全世界株式) |
| 運用結果の共有 | 毎月末、息子と一緒に資産画面を見る |
なぜ親名義のNISAで運用するか
2023年末でジュニアNISAは終了した。
2026年5月時点では「こどもNISA(仮称)」は議論中で、まだ正式制度はない。
だから今は、親の新NISA枠の一部を「子供分」として運用するのが現実解だ。
毎月1,000円分は親の口座で買付し、子供にはその運用結果を見せる。
口座上は親のものでも、心理的には「お前のお金が動いている」と伝える。
これだけで、子供にとっては立派な投資体験になる。
毎月末の「親子マネー会議」
俺と息子のルーティンは、月末の30分。
SBI証券のアプリを2人で開いて、その月の運用結果を見る。
1ヶ月目、息子は「12,030円になってる」と驚いた。
3ヶ月目、息子は「下がってる、なんで?」と聞いた。
6ヶ月目、息子は「世界の経済ニュース」を見るようになった。
これが、金融教育だ。
1年でかかった金額と運用結果
2025年5月〜2026年5月の1年間。
- 投資元本:1,000円 × 12ヶ月 = 12,000円
- 2026年5月時点の評価額:約13,200円(運用益+10%)
金額は小さい。
でも、息子が手にしたのは「お金が働く」という原理原則の体感だ。
これは1万円じゃ買えない。
6年続けた場合のシミュレーション
もし中1から高3まで(6年間)月1,000円のNISAを続けたら。
年利5%(過去30年の世界株インデックスの平均的リターン)で計算すると——
| 年数 | 累計投資額 | 運用後評価額 |
|---|---|---|
| 1年 | 12,000円 | 約12,300円 |
| 3年 | 36,000円 | 約38,800円 |
| 6年 | 72,000円 | 約83,800円 |
もし高校卒業後も自分で継続して、18歳〜45歳の27年間、月1万円に増額して続けたら。
年利5%で約810万円になる。
これが、12歳のうちに金融教育を始める価値だ。
1年で息子に起きた3つの変化
変化① 「欲しい物」と「必要な物」を区別するようになった
お小遣いから自分で投資に回す経験をすると、残りの2,000円の使い方が変わる。
息子は「ガチャに500円使うか、来月の投資に回すか」を、自分で考えるようになった。
これは説教では身につかない。
変化② 経済ニュースに反応するようになった
「アメリカの株価が下がった」「日銀が金利を上げた」というニュースに、息子が反応する。
「俺の投資、大丈夫?」と聞いてくる。
これだけで、社会の見方が変わる。
大人になったとき、金融リテラシーで損する可能性が大幅に下がる。
変化③ 父親(俺)との会話が増えた
これは想定外の効果だった。
思春期の中学生男子は、父親と会話しない。
でも「投資の話」だけは別だ。
毎月末、必ず30分話す習慣ができた。
金融教育が、親子の絆を取り戻すきっかけになった。
こどもNISA時代に親ができる準備
2026年現在、こどもNISA制度は議論中だ。
でも、いつ始まっても対応できるよう、今から「お金の体験教育」をしておく価値は大きい。
具体的に、親が準備できることは3つ。
準備① 親の新NISA口座を「子供分」と分けて運用する
SBI証券・楽天証券などで、親の新NISA枠の一部を「子供のお金」として分けて管理する。
口座は親名義でも、心理的には子供のお金として扱う。
SBI証券は手数料無料・取扱商品が豊富で、初心者にも使いやすい。
準備② 子供向けのお金の本を読ませる(強制ではなく置いておく)
本を渡すのではなく、リビングに置いておく。
俺の経験では、12歳前後で「子供向け金融本」を読み始めることが多い。
準備③ 月1回の「親子マネー会議」を習慣化する
金額の大小は関係ない。
「お金について親子で話す習慣」そのものに価値がある。
多くの家庭では、お金の話はタブーだ。
でも、お金の話ができる家庭で育った子供は、金融リテラシーで圧倒的に有利になる。
まとめ|お金の教育は、12歳から始めるのが遅すぎない
俺が金融リテラシーに目覚めたのは40歳だ。
もし12歳から始めていたら、人生は確実に違っていた。
息子には、その28年を渡したい。
こどもNISA制度を待たなくても、親の新NISA枠で今すぐ始められる。
月1,000円から、子供の人生は変わる。
「父さんが20歳の俺に伝えたかったこと」を、今、息子に伝えられる。
これが、氷河期世代の親にできる、最大の他者貢献かもしれない。

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