毎月、給料から当たり前のように引かれていく医療保険料。
俺も、何も考えずに月1万円ちょっと払い続けてた。「入院したら大変だから」「みんな入ってるから」。その程度の理由で、10年。
ある日、ふと電卓を叩いた。月1.2万円 × 12ヶ月 × 10年 = 144万円。
タバコ代に1000万円払ってたことに気づいたときと同じ、あの背筋が冷える感覚だ。「俺、この144万円、何のために払ったんだ?」
調べていくうちに、俺はある言葉にたどり着いた。「付加給付(ふかきゅうふ)」。そして、なぜ保険のおじさんが一度もこの言葉を口にしなかったのか、その理由がわかってしまった。
まず大前提:日本には「高額療養費」という最強の制度がある
知らない人が多すぎるんだが、日本の健康保険には 高額療養費制度 ってのがある。
これは「1ヶ月の医療費の自己負担が、一定額を超えたら、超えた分は戻ってくる」という制度。会社員も自営業も、ほぼ全員が対象だ。
ざっくり、平均的な収入(年収約370〜770万円)の人ならこうなる。
| かかった医療費(窓口3割負担) | 本当の自己負担(高額療養費適用後) |
|---|---|
| 100万円(窓口30万円) | 約8.7万円 |
| 300万円(窓口90万円) | 約10.2万円 |
つまり、どんなに医療費がかかっても、自己負担は月8〜10万円くらいで頭打ち。これだけでも「医療保険って本当に要る?」って気持ちになる。
でも、本当の主役はここからだ。
本題:「付加給付」を知ってるか
会社員や公務員が入る 健康保険組合(健保組合) の多くには、高額療養費の“さらに上”に独自の上乗せがある。それが 付加給付だ。
これがあると、自己負担の頭打ちが、月8万円どころじゃなくなる。
| 1ヶ月の自己負担の上限(目安) | |
|---|---|
| 高額療養費だけ | 約8〜9万円 |
| 付加給付がある健保組合 | 2〜2.5万円程度 |
読み間違いじゃない。100万円の手術・入院をしても、自己負担は実質2万円台で済むケースがあるってことだ。
しかも多くの組合は 申請すらいらない。病院からの請求データをもとに、勝手に計算して、後から口座に振り込んでくれる。俺は給与明細の「還付」の意味を、今まで一度も理解してなかった。
じゃあ、なぜ保険会社はこれを教えないのか
理由はシンプルだ。教えると、保険が売れなくなるから。
| 保険会社の立場 | やること |
|---|---|
| 医療保険を売りたい | 「入院したら100万円かかりますよ」と不安を煽る |
| でも付加給付を教えると… | 「自己負担2万円なら、保険いらないのでは?」となる |
| だから | 聞かれない限り、自分からは言わない |
別に嘘をついてるわけじゃない。ただ、自分の商品が不要になる事実を、自分から進んで言う営業マンはいない。それだけの話だ。考えてみれば当たり前で、俺は「みんな入ってるから」で思考停止してただけだった。
⚠️ ただし、ここで早合点するな(一番大事)
「よし、保険を全部やめるぞ!」と走り出す前に、絶対に確認してほしいことがある。
付加給付は、全員にあるわけじゃない。
| あなたの加入先 | 付加給付 |
|---|---|
| 大企業・業界の健保組合 | ある場合が多い(要確認) |
| 中小企業の協会けんぽ | なし(高額療養費のみ) |
| 自営業の国民健康保険 | なし(高額療養費のみ) |
だから「保険はいらない」と断言する記事は信じすぎない方がいい。まずやるべきは、自分の保険証を見ること。 そこに書いてある健康保険組合の名前で検索すれば、付加給付があるかどうかは組合のサイトに載っている。
(念のため言っておくと、俺は保険の専門家じゃない。ここに書いたのは制度の仕組みと、俺自身が調べて動いた話だ。やめる・続けるの最終判断は、自分の保険証と健保のサイトを確認した上で、自分で決めてくれ。)
で、俺はどうしたか
俺の会社の健保には、付加給付があった。自己負担の上限は 月2.5万円。
それを知って、過剰だった医療保険の特約をいくつか見直した。浮いたお金は、月数千円。大した額に見えないかもしれない。
でも、タバコをやめて学んだことがある。「毎月の小さな垂れ流しを止めて、それを“投資”に回す」——これが氷河期世代の俺たちが老後にできる、数少ない逆転の一手だ。
浮いた保険料は、迷わず新NISAの積立に回した。不安に払い続けるお金を、未来に積み上げるお金に変えた。それだけで、毎月の気分がちょっと軽くなった。
まとめ:不安に課金するのをやめよう
- 日本には 高額療養費 がある(自己負担は月8〜9万円で頭打ち)
- 健保組合なら 付加給付 でさらに安くなる(月2万円台のことも)
- 保険会社は、自分から これを教えない
- でも付加給付は 全員にはない。まず保険証を確認
- 過剰な分を見直して、浮いた金は未来へ
「みんな入ってるから」で払い続けるのは、思考停止だ。タバコと同じ。一度立ち止まって、自分の保険証を見るところから始めてほしい。
関連記事:依存に払った10年=1000万円の話 / 40代が受けるべき健康診断


コメント