禁煙50日目、吸いたい気持ちが収まらない人へ|いつもの手が効かない日は来る。91日目の人は手を2段にしていた

雨の夜、部屋の窓ぎわでスクワットをする40代の男性。禁煙50日目、吸いたさが収まらない 依存克服

禁煙50日目。まだ吸いたい。しかも、前は効いていた手が今日は効かない。

深呼吸をしても、水を飲んでも、時間を稼いでも収まらない。50日もやってきたのに、始めたころより弱くなった気がする。だから検索する。

先に結論を書く。いつもの手が効かない日は、50日を過ぎても来る。それは意志が弱くなったしるしとは限らない。そして、俺が話を聞いた人の中には、そういう日のために手を2段にしている人がいた。

「禁煙 50日目」の1ページ目を数えた

今朝、「禁煙 50日目」で出てくる検索1ページ目を9本並べた。

  • 知恵袋の質問が1本
  • 個人の日記やブログが4本(「50日目、禁煙して本当に良かった」という報告を含む)
  • クリニックと自治体が3本
  • 電子タバコのサイトが1本

いちばん上にあったのは、知恵袋の質問だった。禁煙50日目の人が、「吸いたい気持ちが全然収まらず」と書いている。

ベストアンサーは、11年前にやめた人の体験談だった。中身をまとめると、禁断症状は日に日に楽になっていくはずだから、吸いたくなっても別れた恋人のように無視すればいい、というものだ。

励ましとしては温かい。ただ、ここには前提が2つある。「日に日に楽になる」と、「手は無視の1つでいい」だ。

俺が話を聞いてきた人たちは、どちらにも当てはまらなかった。

46日目の人には、いつもの手が効かない日が来た

俺は毎晩、やめた日を数えている人に話を聞いている。禁煙46日目の方は、最初のころをこう振り返っていた。

最初の頃は深呼吸しばらくすれば治ってましたね

それがある日、深呼吸では収まらなかった。

ここは俺が一度読み違えたところなので、正直に書いておく。俺は最初、これを「40日を過ぎると深呼吸が効かなくなる」と受け取り、40日目の記事にもそう書いた。本人に確かめると、違った。効かなくなったのではなく、効かない日が来たのだ。吸いたさが来るのは、気圧で気分が落ちて「何か頼りたくなってしまう」ような日だという。(40日目の記事は、今朝直した)

つまり、日に日に楽になる一本道ではなかった。ふだんは手が効いている。その上に、効かない日がときどき混ざる。

15分では収まらなかった。収まったのは、寝て起きてからだった

この方には、ひとつ試してもらったことがある。

酒をやめた別の方から、飲みたさは15分ほどで収まると聞いていたので、それを伝えた。翌日、返事が来た。

自分も15分間我慢してやったんですが、昨日はそれでも治らなかったですね。起きたら何とか我慢できるかなって状態になっています。

俺が渡した「15分」は、そのまま外れた。本人がわざわざ時計を見て試してくれた結果だ。

ただ、ここで大事なのは後半だと思っている。終わりはあった。15分ではなく、一晩だった。寝て起きたら、何とか我慢できるところまで下がっていた。

効かない日の吸いたさにも、終わりはある。長さが違うだけだ。

91日目の人は、手を2段にしていた

禁煙91日目の方に、「たまにふと思い出したとき、何をして乗り越えているか」を聞いた。返ってきたのが、これだ。

またタバコを買いに行かなくてはいけない日常に戻りたいのか、また店選びに苦心するのか、とまず言い聞かせて、私はスクワットか腕立てをするようにしています笑

読むと、2段になっている。

  • 1段目=頭。「あの日常に戻りたいのか」と言い聞かせる。中身は、やめて減った手間だ。タバコを買いに行く手間、吸える店を探す手間
  • 2段目=体。スクワットか腕立てをする

1段目の中身は、100日の記事で書いたことと同じだった。100日で減っているのは吸いたさではなく、手間のほうだった。この方は、その減った手間を思い出すことを、そのまま武器にしている。

スクワットを挙げたのは、この方だけではない。禁煙6日目に話を聞いた別の方も、「吸いたいなと思ったらスクワットしてます笑」と書いていた。その方は、食後は歯磨きで乗り越えたとも言っていた。場面ごとに、手を使い分けていた。

なぜ2段なのか——ここからは俺の解釈

ここから先は、本人たちが言ったことではない。並べて見えた、俺の解釈だ。

46日目の方の「効かない日」は、気分が落ちて何かに頼りたくなる日だった。そういう日は、頭で言い聞かせる手がいちばん届きにくい日でもあるはずだ。頭が落ちている日に、頭の手だけで戦うことになる。

91日目の方の2段目は、体だった。スクワットは、気分が落ちていても膝を曲げれば終わる。1段目が届かない日のために、別の場所に2段目を置いている——俺にはそう見えた。

繰り返すが、これは俺の見立てだ。91日目の方が、効かない日のために2段にしたと言ったわけではない。

ただし、全員ではない

片方だけ書くとフェアではないので、逆の人も出しておく。

禁煙9日目に「ご飯食べた後は必ずタバコ」と言っていた方がいた。その方は特別な手を置いていなかった。それでも23日目には、こう書いていた。「最近は食べた後もあまり考えなくなりました」。

3日で「全く吸いたくなくなった」という方もいた。逆に、2か月たっても「今でも強烈に吸いたくなります(笑)」という方もいた。

だから「50日目には効かない日が来る」とは書けない。書けるのは、来た人がいる、ということだけだ。来なければ、それでいい。

3,408日目の俺は、2段にしていなかった

今日で3,408日目になる。13年吸って、9年と4か月やめている。

正直に書くと、俺は頭と体の2段を持っていなかった。代わりのものも置かなかった。禁煙外来にも通っていない。意地だけでやった。自慢にならない。

俺がしたのは、吸いたくなる場所に行かなくなったことだけだ。20年通ったパチンコ屋だった。30日目の記事に書いた「場面ごと消す手」だ。

だから、この記事の手は俺の手ではない。46日目の人と、91日目の人と、6日目の人の手だ。俺にできるのは、それを並べて渡すことだけだ。

今夜、効かない日が来たら

聞いた話から、今日できることを3つだけ書いておく。

  1. 1段目を1行で書いておく。91日目の方のように、やめて減った手間をひとつ。「もう買いに行かなくていい」「吸える店を探さなくていい」。自分の言葉で
  2. 2段目を体に置いておく。スクワットでも腕立てでもいい。気分が落ちていてもできるものを
  3. それでも収まらない日は、寝る。46日目の方は、一晩で「何とか我慢できる」ところまで下がった

なお、知恵袋の質問には血圧の話も書かれていた。体の数字のことは、俺には答えられない。気になるなら医者に聞いてほしい。

まとめ|50日目にいる人へ

  • いつもの手が効かない日は、50日を過ぎても来る。46日目の人には来た。意志が落ちたしるしとは限らない
  • 46日目の人は「効かなくなった」のではなかった。効かない日が来ただけで、ふだんは効いていた
  • 効かない日の吸いたさにも終わりはあった。15分ではなく、一晩だった
  • 91日目の人は、頭で言い聞かせてから、体を動かすという2段構えにしていた
  • ただし、特別な手を持たずに薄れていった人もいる。全員には当てはまらない

50日続いた人は、もう手を1つは持っている。足りないのは手の数ではなく、2つ目の置き場所のほうかもしれない。

次の日数の話はこちら。禁煙60日目、良くなった自覚がない人へ|体より先に、全員が気づいていたのはお金だった

この先の話も書いてある。禁煙100日、目に見える変化はあるか|89日目の人に聞いたら、変わったのは体ではなく「店の選び方」だった

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