「毎日の晩酌は俺の小さな贅沢」
そう思っていた40代の俺は、ある日電卓を叩いて固まった。
月1万円のお酒代が、20年で330万円になっていた。
これは、家族旅行15回分。
新車1台分の頭金。
息子の大学4年間の入学金。
「ちょっとした贅沢」のつもりが、人生を変える金額だった。
この記事では、
・月1万円の飲酒代を20年続けた場合のリアルな金額
・年利3%で運用していたらいくらになるか
・お酒をやめて得られる「お金以外」の5つのメリット
・節酒・断酒を無理なく始める3つのステップ
を、数字で全部出す。
先に正直に書いておく。俺は、酒をやめていない
この記事を読む前に、書いておかなければいけないことがある。
俺がやめたのは、タバコとパチンコだ。酒はやめていない。晩酌は、今も週4日ある。
だからこの記事に「俺は禁酒したらこう変わった」は一行も出てこない。書けない。
そのかわり、電卓で出せるところは全部出す。タバコを13年吸って9年やめて分かったのは、やめる・やめないを決めるのは根性じゃなく、金額が目に見えているかどうかだということだ。だから金額を出す。
結論:月1万円のお酒代を断つと、20年で330万円が手元に残る
結論を先に出す。
毎日1,000円の晩酌(缶ビール3本+つまみ)を週6日続けると、
月の飲酒代は約24,000円。
外飲み込みなら月3万円が普通だ。
でも今回は、控えめに月1万円で計算する。
| 期間 | 累計金額 | 年利3%運用時 |
|---|---|---|
| 1年 | 12万円 | 約12.2万円 |
| 5年 | 60万円 | 約64.6万円 |
| 10年 | 120万円 | 約139.7万円 |
| 20年 | 240万円 | 約330万円 |
| 30年 | 360万円 | 約582万円 |
運用しない場合でも240万円。
NISA積立で運用すれば、20年で約330万円になる。
これが、月1万円の晩酌が消している金額の正体だ。
40代男性の平均飲酒代——本当はもっと使っている
厚生労働省「国民健康・栄養調査」によると、40代男性の34.8%が「生活習慣病のリスクを高める量」を飲酒している。
具体的には、1日純アルコール40g以上。
これは、缶ビール(500ml)×2本、または日本酒2合に相当する。
金額に換算すると——
| 飲酒パターン | 1日のコスト | 月額 | 20年累計 |
|---|---|---|---|
| 家飲み・缶ビール2本 | 約500円 | 約15,000円 | 360万円 |
| 家飲み・日本酒2合 | 約700円 | 約21,000円 | 504万円 |
| 家飲み・週3回外飲み | 平均1,200円 | 約36,000円 | 864万円 |
つまり、40代男性の3人に1人は、20年で360万円〜864万円を飲酒代に使っている計算だ。
俺が「月1万円のお酒代」を計算した日
40歳のとき、俺は家計を見直していた。
毎月の支出を全部書き出して、「これは無くてもいい支出」を探した。
そこで気づいたのが、晩酌代だけで月10,500円使っていることだった。
- 缶ビール(500ml×3本)×週6日 = 約7,200円
- つまみ(ピーナッツ・チーズ・冷凍餃子)= 約2,400円
- たまの日本酒・焼酎 = 約900円
合計、月10,500円。
俺にとっては「習慣」なので、ここに年間10万円以上が消えていることに、それまで気づいていなかった。
40歳から60歳までの20年で、240万円。これが「気づかないコスト」だ。
そして俺は、今もこれを払い続けている。
お酒をやめて得られる「お金以外」5つのメリット
① 睡眠の質が劇的に上がる
アルコールは入眠を早めるが、深い睡眠(ノンレム睡眠)を阻害する。
これは複数の医学研究で証明されている。
② 翌朝の体調が安定する
二日酔いがゼロになるのは想像通りだが、
「軽い飲み過ぎ」の翌朝のだるさも消える。
40代になると、肝臓のアルコール処理能力が20代の約7割に落ちる(厚労省データ)。
つまり、同じ量を飲んでも、翌朝のダメージが大きくなっている。
③ 肝臓・膵臓への負担が減る
γ-GTP(肝機能の指標)は、毎日飲酒する人の平均値が非飲酒者の2〜3倍高い。
40代以降、これが脂肪肝・肝硬変のリスクに直結する。
④ 集中力・判断力が上がる
「飲んでもすぐ寝るから仕事に影響はない」と思われがちだが、深い睡眠が削られるぶん、翌日の午前中のパフォーマンスは落ちる。
仕事のパフォーマンスが上がれば、評価・昇給にもつながる。
これは「お金以外」と言いつつ、実質的にお金にも返ってくる。
⑤ 深夜の無駄な出費が消える
これは見落としがちだが、大きい。
- 深夜のコンビニで余計な買い物
- 飲み会後のラーメン代
- 終電を逃したタクシー代
- 翌日の二日酔い対策の医薬品代
俺の場合、これらを合計すると月3,000〜5,000円。
飲酒代以外の「飲酒関連コスト」が、さらに年4万〜6万円かかっている。
節酒・断酒を無理なく始める3ステップ
「いきなりゼロは無理」という人へ。
ここから先は俺の体験談ではない。やめた人・減らした人のやり方と、数字で説明がつく方法を並べる。
ステップ① ノンアルコールに置き換える
「飲む習慣」自体を急に変えるのは難しい。
でも、飲んでいる中身を変えるだけなら続けやすい。
いちばんハードルが低いのが、ビールをノンアルコールビールに置き換えることだ。
「開ける」「注ぐ」「飲む」という動作がそのまま残るので、我慢している感覚が出にくい。
置き換えたときにお金・体重・睡眠がどう動くかは、毎日のビールをノンアルに替えたら、お金・体重・睡眠はどう動くか【試算】で計算した。
ステップ② 「飲まない日」を増やす
週6日飲んでいたなら、まず週5日に。
慣れたら週3日。最終的に週1〜2日。
「ゼロにする」のは難しいが、「減らす」ならハードルが低い。
休肝日を作るだけで、肝臓の数値は改善する。
ステップ③ 「飲み代」を別口座に移す
そして、いちばん効くのはたぶんこれだ。
お酒を我慢した日数×500円を、その月のうちに別口座へ移す。
「我慢」が数字になって見えると、続ける理由がひとつ増える。
ここは、俺がタバコで失敗したところでもある。9年間、浮いたタバコ代を一度も口座に移さなかった。数えてはいたが、移していない。だから9年経った今も、そのぶんの金は手元にない(禁煙してもお金は貯まらなかった|9年間数えて、口座に1円も移していなかった話)。
移さないと、貯まらない。ここだけは、失敗した側から断言できる。
1年で6万円を積立、20年で約160万円になる計算だ。
「いきなり禁酒」より「置き換え」が効く理由
禁酒に失敗する人の多くは、急に「ゼロにする」を目指す。
でも、20年染み付いた習慣は、意志だけでは止まらない。
大事なのは、「飲む時間」「飲む場所」「飲む動作」を別のもので埋めること。
置き換えの例を挙げる。
- 夜21時の「ビールを開ける」→ ノンアルを開ける
- テレビを見ながら晩酌 → テレビを見ながらノンアル+ナッツ
- 金曜の解放感 → ノンアル+スイーツでご褒美感を演出
習慣の枠は同じまま、中身だけ変える。
これが続くコツだ。
40代が断酒・節酒で得る「複利」効果
同じ月1万円でも、40代から始めるのと50代から始めるのでは、複利の効きが違う。
| 開始年齢 | 20年後の累計(年利3%) |
|---|---|
| 40歳 | 約330万円(60歳時) |
| 45歳 | 約330万円(65歳時) |
| 50歳 | 約330万円(70歳時) |
金額は同じだが、使える時間が違う。
40歳で始めれば、60歳のセカンドライフが豊かになる。
5年遅れるごとに、健康寿命を5年無駄にする計算だ。
まとめ|お酒をやめると、20年で人生が変わる
月1万円の晩酌をやめると、20年で約330万円が手元に残る。
でも、それ以上に大きいのが「お金以外のリターン」だ。
- 睡眠の質が上がる
- 翌朝の体調が安定する
- 肝臓・膵臓の負担が減る
- 集中力・判断力が上がる
- 深夜の無駄な出費が消える
これらは、お金に換算できない「人生の質」だ。
40代から始めれば、60歳のセカンドライフが変わる。
「いきなり禁酒」じゃなくていい。まずはノンアルへの置き換えから始めよう。
正直に書くと、俺はこの月1万円を、まだ浮かせていない。晩酌は続いている。
それでも、電卓は叩いた。20年で330万円。中1の息子と旅行に行ける金額だ。
もうひとつ、金額とは別に気になるのが「付き合いが悪いと思われないか」だと思う。これは実際に数えてみた。飲まない人に向かって「つまらない」と言った人は、49人中3人だけだった(49人に聞いた結果はこちら)。
あなたの月1万円は、20年後、何に変わるだろうか。


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