「パチンコ、やめよう」と決めた。それなのに、2週間後にはまた店の駐車場にいる。
俺は20年で720万円溶かしました。同じことを何度も繰り返しました。だから「意志が弱いんだ」と思っている人の気持ちは分かります。
先日、こんな質問を見つけました。
「パチンコ引退できた方はどうやって引退しましたか? 負ける度辞めようと思いつつ2週間後には行ってしまう。借金とかはしていませんが、負ける度美容代を削っています」
返信が200件を超えていました。そのうち240件を、1件ずつ全部読みました。
結果を先に書きます。「強い意志でやめた」と書いた人は、1人だけでした。
結論:やめ方を語った人より、「行かなくなった経緯」を語った人のほうが圧倒的に多かった
240件のうち、自分の体験を語っていたのは130人でした。残りはアドバイス、持論、雑談です。
その130人の内訳が、これです。
| やめた(行かなくなった)きっかけ | 人数 |
|---|---|
| 台・店・業界が変わって行かなくなった | 34人 |
| 計算・確率・仕組みを知って冷めた/飽きた | 24人 |
| 代わりが入った(趣味・投資・乗り換え) | 19人 |
| 生活・家族・環境が変わった | 16人 |
| 金・大負けで目が覚めた | 6人 |
| 自分ルール・我慢・記録 | 6人 |
| その他 | 25人 |
「台や店が変わった」34人と「生活が変わった」16人を足すと50人。どちらも、自分の外側が動いた話です。
一方、自分ルール・我慢・記録は6人。そのうち「強い意志」と書いたのは1人だけ。
約8倍の差です。
「どうやってやめましたか」と聞いているのに、返ってきたのは、やめ方ではありませんでした。気づいたら行かなくなっていた、という話でした。
いちばん多かった34人は「台がつまらなくなった」と言っている
実際の言葉です。名前は伏せます。
「勝てる要素がなくなったので、面白さもないのでやめた訳じゃないけど行かなくなって7年」
「10年位前に行かなくなりました。特に辞めた気はないですが何故か行かないでも平気になりました」
「酷い時は週5通っていた者ですが、その内に行く頻度が少なくなって気付いたら3年程行ってない状態です」
「つまんなくて行かなくなりました。やめたと言うより、行く気になれない」
「やめた」ではなく「行かなくなった」。この言い方が、何度も出てきます。
そして具体的な引き金は、こういうものでした。
「ハンドル固定禁止になったタイミングでした。以来、20年行ってません」
「台でタバコ吸えなくなってから勝手に行かなくなりました。そのタバコも四年ほど前に辞めました」
ハンドル固定の禁止。店内が禁煙になったこと。4号機がなくなったこと。出玉規制。1店舗あたりの台数が増えて店が大型化したこと。
どれも、その人が決めたことではありません。
次に多い16人は「生活が変わった」
「出産を機に行かなくなりました。行かなくなったというより、行けないが正しいです」
「母の介護が必要になり、時間が無いのできっぱりやめました。今思えばもっと早くやめてればと後悔してます」
「子ども、ペット、仕事の忙しさなどパチンコに費やす時間が無くなったら自然と行かなくなりました」
「結婚して子供産まれたから。金の心配もあったが、家に帰りたくなった。から自然と行かなくなった」
結婚、出産、介護、仕事、猫。全部、パチンコと関係のない出来事です。
2番目に多い24人は「冷めた」。その中に、答えが1つ入っていた
台や店の変化に次いで多かったのが、仕組みを知って冷めた、あるいは単に飽きたという24人です。
「20年以上スロットやってましたが、3年前に突然「つまんなっ」って、いきなり冷めました」
「この前、本当に数年ぶりに行きました。楽しくない。当たってるんです。玉も出てるんですが。楽しくない」
この中に、俺がいちばん考えさせられた一言がありました。
「スロット機を買いました。家でお金に代わらないのに、やっていたら面白くなくて辞めれました」
実機を買って、家で同じ台を打った。演出も出目も同じです。違うのは、出玉が金に換わらないことだけ。それだけで面白くなくなった。
つまりこの人にとって、面白かったのは台ではなく金のほうだったということです。自分で実験して、自分で答えを出しています。
「代わりが入った」19人は、ほぼ全員が後から入っている
3番目に多かったのが、代わりが入って行かなくなった19人でした。釣り、バイク、筋トレ、ゴルフ、テニス、株、外食、道の駅巡り。
「筋トレするようになってから、ただ座ってるのが勿体無くて行かなくなりました」
「PS5を買ったので、テレビを新調したくて、いろんな店の全ての貯玉をおろして買いました。それ以降、自然に行く気なくなり」
注意したいのは順番です。「趣味を探して見つけたからやめられた」と書いた人は、ほとんどいません。ほとんどが、やめたあと、あるいは生活が変わったあとに勝手に入っています。
この順番については、12人に聞いた別の記事で詳しく書きました。そこでも、趣味を「探して」見つけた人は一人もいませんでした。
「強い意志」と書いたのは、130人中1人だった
念のため、その1人の言葉も載せます。
「普通に辞めれました。ようは強い意志。」
これだけです。130人中1人。
やめ方の記事はいくらでもあります。俺も7つのステップにまとめた記事を書いています。でも実際にやめた人に聞くと、ステップを実行した話はほとんど出てきません。
いちばん具体的だったのは、意志の話ではなく「道」の話だった
240件の中で、俺がいちばん唸ったのがこれです。
「気が付いたら台の前に座ってる事があった。だから通勤で少々遠回りになるけどパチ屋の前を通らない様にしてたら半年くらいで治った」
この人は、意志の話を一切していません。道の話をしています。
そして偶然ですが、この質問を投稿した本人(まだやめられていない側の人)に、俺はこの集計結果を送りました。返ってきたのが、これでした。
「私自身、行く時も行かない時も同じことをしています。彼氏や友達と遊んだり、ジムや美容系サロン行ったり。その帰り道に時間があるとつい寄ってしまうのが現状で、パチンコの為だけに外出することはないです」
ここで完全につながりました。
この人は趣味が足りていないわけではありません。ジムにも行くし、友達とも遊んでいる。やめた人と、やっていることは同じです。
違うのは、帰り道だけでした。
足りていないのは趣味ではなく、経路です。遠回りして半年で治った人と、帰り道につい寄ってしまう人。2人とも、意志の強さの話をしていません。
タバコと一緒に消えた人が、2人いた
これは俺が予想していなかった話です。
「25年程前ですが、禁煙したらパチンコ店にも行かなくなりました」
「台でタバコ吸えなくなってから勝手に行かなくなりました」
片方は自分がタバコをやめたら、パチンコも消えた。もう片方は台で吸えなくなったら、パチンコが消えた。向きは逆ですが、2つがセットで動いています。
俺はタバコを13年吸って、9年前にやめました。パチンコもやめました。当時は別々の話だと思っていましたが、この2人を読んで、そうでもないのかもしれないと思っています。
俺の場合:やめた日を覚えていない
正直に書きます。俺は、パチンコをやめた日を覚えていません。
20年で720万円溶かして、月3万円がゼロになりました。金額は計算して出しましたが、やめた日付は出せません。決意した日がないからです。
ずっと、記録をつけていなかっただけだと思っていました。でも130人を読んだあとだと、見え方が違います。俺も「行かなくなった」側にいただけでした。
ただし、正直に書きます。全員が消えたわけではない
成功談だけ並べると嘘に近づくので、逆の話も載せます。
「やめて3年くらいたつ。それでも毎日いきたいなとおもう」
「絆がなくなって辞めましたが、喰種が出てまた始めちゃいました」
3年たっても毎日行きたい人がいる。台が変わって戻った人もいる。台の変化でやめた人がいるということは、台の変化で戻る人もいるということです。
それと、やめた/やめられないの2つに割り切れない人もいました。
「過去週5でパチ屋いましたけど、今は年1回程度しか行きません」
この人には別で聞きました。行く目的が「勝つこと」ではなく「見たい演出」だったそうです。だから今はYouTubeで演出を見て満足していると。
俺の目的は「もう少しで勝てる」でした。だからYouTubeでは1ミリも代わりになりません。同じパチンコでも、代わりが効く人と効かない人がいます。
明日、ひとつだけできること
130人を読んで、明日からできることを1つだけ選ぶなら、これです。
やめ方を探すのをやめて、道を1本変える。
通勤で店の前を通らないルートにする。帰り道に用事を1つ入れる。財布に入れる現金を減らす。どれも決意ではなく、経路の話です。
半年で治った人がやったのは、それだけでした。
まとめ
- 240件を読んで、自分の体験を語っていたのは130人
- 台・店が変わって行かなくなった34人+生活が変わった16人=50人
- 自分ルール・我慢・記録は6人。「強い意志」と書いたのは1人
- いちばん具体的だったのは意志ではなく「通勤で遠回りしてパチ屋の前を通らない」という道の話
- ただし3年たっても行きたい人、台が変わって戻った人もいる
やめられないのは、意志が弱いからではないのかもしれません。まだ、外側が変わっていないだけです。
やめたあと何をすればいいのか分からない人はこちら、やめたあと何をしても楽しくない時期についてはこちらに書きました。
40代、まだ間に合う。


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