氷河期世代の生涯年収はいくら少ない?バブル世代と計算したら「約2,300万円の差」だった|40代からの取り戻し方

マネー

「俺の年収が低いのは、俺の努力が足りないからだ」——ずっとそう思ってきた。

同じ会社で、同じように働いてきたはずなのに、上の世代との差は開くばかり。飲み会でバブル世代の先輩が語る「昔は良かった」話を聞きながら、自分を責めた夜が何度もあった。

でも、データを調べて分かった。これは努力の差じゃない。時代の差だ。氷河期世代の生涯年収は、バブル世代より約2,300万円少ない。今日はその計算の中身と、40代からでも取り戻せる方法を、数字で見せていく。

結論:氷河期世代の生涯年収は、バブル世代より約2,300万円少ない

第一生命経済研究所の分析によると、氷河期世代の正社員の年収は、バブル世代が同じ年齢だったときと比べて年40〜80万円少ない。40代前半の男性では最大84万円の差がついた時期もある。

仮に年収差を60万円として、22歳から60歳までの38年間で計算すると——

年収差 働く年数 生涯の差
年40万円 38年 1,520万円
年60万円 38年 2,280万円
年80万円 38年 3,040万円

中間で見ても約2,300万円。家が一軒建つ金額が、生まれた年だけで消えている計算だ。

なぜ氷河期世代の年収は低いままなのか

理由はシンプルで、入口でつまずかされたからだ。

  • 初任給が低い時代に社会に出た——就職難で買い手市場。企業は給料を上げる必要がなかった
  • 昇給の波に乗れなかった——会社の業績が悪い時期に若手だったため、ベースアップの恩恵が薄い
  • 非正規スタートを強いられた人が多い——最初の数年のキャリアの遅れが、その後ずっと響く

つまり「個人の頑張り」の外側にある、構造の問題だ。まずここを認めていい。あなたのせいじゃない。

さらにキツい話:同じ年収でも「手取り」が減っている

追い打ちがある。税金と社会保険料の負担増だ。

同じ額面年収1,000万円・家族を扶養する45歳会社員で比較すると、手取りは1995年が約799万円、2025年は約723万円。同じ額面でも76万円少ない。

つまり氷河期世代は「もらえる額が少ない」うえに「引かれる額が多い」。二重に削られている。

非正規の期間がある人は、差がもっと大きい

正社員と非正規の平均年収差は約300万円(正社員530万円、非正規202万円)。45〜49歳の男性では月収ベースで約16万円、年収にして約192万円の差がある。

この差が30年続けば、単純計算で生涯1億円近い開きになる。氷河期世代の問題が「世代内の格差」でもあると言われるのは、このためだ。

学歴による生涯年収の差(約5,600万円)については、こちらで詳しく計算している。
高卒vs大卒の生涯年収差5,600万円|逆転する5つの方法

嘆いて終わったら、2,300万円損したままだ——40代からの取り戻し方3つ

ここからが本題だ。時代のせいにしていい。でも、取り返す手段は残っている。俺が実際にやっているのは次の3つ。

① 新NISAで「時間」を味方につける

40代からでも遅くない。月3万円を年利5%で積み立てた場合——

積立期間 元本 運用結果(年5%)
10年 360万円 約466万円
20年 720万円 約1,233万円
25年 900万円 約1,787万円

45歳から65歳までの20年で約1,233万円。世代格差2,300万円の半分以上を、市場の力で埋められる計算だ。老後資金の全体像は40代からの老後資金の作り方にまとめている。

② 出ていく金を止める——固定費と悪習慣

収入を年60万円増やすのは難しい。でも、支出を月3万円減らすのは現実的だ。俺はタバコとパチンコをやめて、その金をそのままNISAに回した。タバコ代だけで30年なら約1,664万円になる計算はこの記事で示した通り。車を見直すなら車の生涯コスト約3,300万円の計算も参考になるはずだ。

③ 入ってくる金を増やす——世帯で考える

自分の昇給が見込みにくいなら、世帯収入で考える。妻のパート収入を扶養の壁の範囲で最適化するだけでも年数十万円変わる(扶養内はいくらまで?2026年の壁の早見表)。子どもの大学費用という最大の支出に備えるなら国公立・私立別の総額と貯め方も読んでほしい。

俺の場合——時代を恨むのをやめた日

俺も氷河期ど真ん中だ。就職活動では何十社も落ちたし、20代の給料は今思えば笑えるほど安かった。タバコとパチンコと酒で現実から目をそらしていた時期もある。

40歳で気づいた。時代は変えられないが、毎月の3万円の行き先は変えられる。悪習慣をやめて浮いた金をNISAに回し始めてから、「失った2,300万円」は「これから取り返す2,300万円」に変わった。中1の息子には、俺が20歳のときに知りたかったこの仕組みを、もう教え始めている。

よくある質問(FAQ)

Q. 氷河期世代とは何年生まれ?

おおむね1970〜1984年生まれ、就職活動が1993〜2004年頃に重なった世代を指す。2026年時点で40代前半〜50代半ばにあたる。

Q. 氷河期世代の平均年収はいくら?

45〜49歳の平均年収は約521万円(男性653万円、女性343万円)。ただし平均は正社員に引っ張られており、非正規を含めた実態はもっと低い。

Q. 国の「氷河期世代支援」は何かもらえる?

国は就職氷河期世代向けに、リスキリング(学び直し)支援や正社員化の助成、公務員の中途採用枠などを設けている。ただし「現金が配られる」類のものではないので、過度な期待は禁物。使えるものは使いつつ、自分の家計は自分で守るのが現実的だ。

Q. 40代後半からNISAを始めても間に合う?

間に合う。45歳から月3万円・年5%で20年積み立てれば約1,233万円。むしろ「始めない場合との差」が一番大きいのがこの年代だ。

まとめ:時代のせいにしていい。でも、取り返すのは自分だ

氷河期世代の生涯年収は、バブル世代より約2,300万円少ない。これは構造の問題で、あなたの努力不足ではない。まず自分を責めるのをやめよう。

そのうえで、毎月の数万円の行き先を変えれば、20年でその差の半分以上は埋まる。時代は選べなかったが、ここから先は選べる。俺たちの逆襲は、地味な積立から始まる。

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